わくわく計算ライフ

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その積立いくら貯まる?

今回からしばらく、資産運用を積み立てで地味に続けていった場合にどのぐらい貯まるのかを中心に徐々に計算していこうと思います。
何回かに分けて、納得のいく計算ができるように説明できることを目指します。

1. 今回の前提

今回は最も簡単なモデルとして、
投資している資産に対して常に一定期間毎に決まった割合で利益が出る
といった商品に投資を続けた場合どうなるかという試算をしようと思います。資産だけに。
今回、ざっくりGoogle Spreadシートを用意しましたので、こちらをコピーして皆さんの手元で弄ってもらうとイメージが分かりやすいと思います。

今回の計算用シート

それではこちらをベースに説明をしていきたいと思います。

2. 計算の説明

今回は、全世界株式に投資するインデックスファンドを購入し続けた場合の資産の増加の仕方の見積もりを立てます。
過去40年ぐらいの全世界株式の指数について調べると、長期(基本的に10年以上)で保有した場合の1年あたりの利率がおよそ5%~7%程度とのことです。
ここは、控えめに見積もって5%としましょう。ここから税金がおよそ20%引かれるので、残りは $0.05 \times 0.8=0.04$すなわち4(%)となります。

1ヶ月あたりの利率を$ P_m $とすると。1ヶ月毎に原資に$ (1 + P_m) $倍が掛けられていくことになります。
1年あたりの利率が$ P_y $倍の場合、1年後には原資が$ (1+P_y) $倍になることを考えると

$(1+P_m)^{12}=1+P_y$であり、これを変形して $ 1+P_m = \sqrt[12]{1+P_y} $
最終的には
$P_m = \sqrt[12]{1+P_y} - 1$ となる。
意外とありきたりな人生でも12乗根とかでてきましたね! (ちょっと指導要領しらべたら高校数学の範囲ですね。)
複利の計算で、長期利率から短期利率を出す場合は必ず累乗根が出てきます。

今回は$P_y = 0.04$とした場合、$P_m \fallingdotseq 0.0033$、すなわち0.33%といったところです。
毎月の資産にこの値をかければ、1月辺りにもらえる利息分が計算できるって算段です。

前述のスプレッドシートは以下のルールで計算しています。

  • 月の初めにあった資産に対して$P_{m}$を掛けた金額(端数切捨て)が利益として月末に入る
  • 月末に決まった額を積み立てる

3. 典型的パターンを見てみよう

今回典型的パターンとして、税引き後の利益率を年率4%すなわち、$P_y = 0.04$、毎月の積立金額を10,000円としたときの4年分の計算がスプレッドシートに記入されています。
4年程度だとまだ長期投資というには短すぎますが、あまり先の話をし過ぎてもイメージが湧きづらいかなということで。

特に見て欲しいのは利息に関する列、D,G,Iですね。 48か月目についてみていきましょう。

3.1. 当月利益(D列)

利息としてその月に入る金額です。1,660円となっています。
すなわち、これ以降はこの利率で運用できていれば、月1,660円以上は入ってくるようになるということです。
4年でこれっぽっちかーと思われる方もいるかもしれませんが、毎月と考えると意外と大きいです。
1,660円というと、スマホの3GBぐらいのプランは払える金額ですし、毎月の積立額の10,000円と比べるとその15%以上という無視できない額に成長していると思います。

3.2. 利息累計(G列)

今まで積み立てた資産から得た利益の合計です。
48ヶ月時点では38,826円。積立金額に対する割合(I列)は約8%となります。
グラフのページを見ると分りますが、資産から得られる利益は5年目ぐらいから目に見えて伸びだしますが、4年の時点でもなかなか無視できない額が不労所得として稼げてると思いませんか?  

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積立時の資産の推移

4. パラメータを変えてみよう

次はパラメータを変えて、様子を見てみましょう。
こういう風にいろいろ値を変えてみて、いつまでにどのくらい資産から所得が欲しいなーというイメージに対してどのくらい積み立てるべきかというのが把握できるようになると戦略を立てやすくて良いです。
モチベーションの維持にもつながります。

4.1. 積立額を2倍にしてみる

積立額を倍にするのは特に面白みはないですが、全体の数値が2倍になります。
よって、48か月目では3,320円の利益が入ります。ahamoとかそのあたりまで払えますね。
また、1,660円を超えるのは26ヶ月目と48ヶ月の半分よりは期間が掛かっています。
これは、利息で受け取る金額は毎月増えていく関係上、48ヶ月に対して半分の24ヶ月時点では、48ヶ月までにもらえる半分より利息が少なくなってしまうからです。

4.2. つみたてNISAにしてみる

積立口座をつみたてNISAにしてみます。
これにより、税金で引かれる20%分の利益が引かれなくなるので、本来の資産の平均成長率の見積もりである年率5%で計算すればその効果が分かります。
48ヶ月時点で得られる利息は2105円。
$2105 - 1660 = 445$円の差、割合にして$445 / 1660 \fallingdotseq 0.268$と20%分の減税が積み重なって25%を超える有利が得られていることが分かっていると思います。
つみたてNISA自体は一度設定してしまえば手間も手数料もかからないので、それでこれだけの差が出るのはチートと言わざるを得ない。
若いうちは自己投資になるべく回した方が良いとは思いますが、それでも一部は積み立てていくことで時間を有用に活用できると思います。

5 まとめ

今回はとても単純なモデルで、積み立て投資の資産の成長を眺めてみました。
10年を超える長期であれば基本的にはまともな株式投資信託は伸びる傾向にあるので、それを信じるならこのぐらいは行くかもなーというのが分かったと思います。
とはいえ、

  • 毎年調子がいいわけじゃないけど大丈夫?
  • そもそもの年率平均5%の成長ってどう計算している?

みたいな疑問もあると思います。その辺はまた次の機会にやりましょう。