わくわく計算ライフ

ドムプラをキメつづけるブログになりつつある。

普通の収入ってなによ?

気が向いたので、古来からの愚痴あるあるの一つ、
「普通に働いているだけなのに、給料が普通より少ない」
について厚生労働省のまとめた資料を見ながら整理します。

1. 普通の給料の定義

定義を抽象的に考えると、「給料=労働(価値提供)の対価」になるので。

「普通の職場」x「普通の仕事をして」x「普通に成果を出した」場合に得られる給料 = 「普通の給料」

辺りで納得できるんじゃないでしょうか、っということで今回はこちらをベースに考えていきましょう。

2.現実問題、普通の給料って?

現実問題として、普通の給料おいくら万円? ということで最近の統計を掘ってみましょう。
レッツ厚生労働省

www.mhlw.go.jp

II各種世帯の所得等の状況 のpage.10を参照すると(ソースをみてね!)。
2019年度の調査結果では以下のようになっています。

項目 数値
中央値 437万円
平均値 552.3万円
平均所得金額以下の割合 61.1%

平均値は一部の高い人が頑張って引っ張り上げているので(ソフトバンクの孫氏とかは10億越えとか聞くので平民の何人分じゃよ?!って思う)、世間の感覚的な話をするなら中央値が妥当でしょう。
中央値は、今回の調査で調べた結果を順に並べて、順位がちょうど真ん中の人の年収ですね。
中央値って大体30代後半から40代前半あたりの働き盛りの年齢の年収に近いので、この辺が450万切ってると子供を2人以上ってのはしんどそうな感じはありますね。
地方なら大丈夫でしょ?っていう人いるけど、地方は給料安めだし車必須だったりで案外コスト安くならんのよ。

「平均所得金額以下の割合」の数値はこれは興味深くて、6割が平均以下ということは4割が平均以上というわけで、やはり全体を高額所得者が強力に引き上げている=世間でいうとこの格差拡大が進んでいるのかなという気はします。
年収が近い人同士での付き合いが多いと思いますので、適当に取っても6割が平均以下ならば平均年収以下の人が所属するコミュニティ内ではほとんどが平均年収以下の人になると思います。
この辺が統計と庶民との意識差に出てきて「そんな統計は信頼置けない!!」とか「そんなにもらってるやつおる???」みたいな発言になって出てきます。
全国民をサンプリングしているわけでは無いですが、統計は統計として客観的に受け止めていきたいとおもいます(とは言え捏造もあるから注意が必要ですが)。

上記統計はあくまで平均所得なので、給与所得に限定されません。事業をやってる人は事業所得が、株とかをやっている人は配当や譲渡益が、年金もらってる人は年金が含まれます。
こはちょっと差し引いて考える必要がありますね。

3. 普通より給料が少ない原因&対策

普通の給料が年収の中央値とどれだけ一致するかという話はあるのですが、一端おいて考えます。

普通の給料は先ほど
「普通の職場」x「普通の仕事をして」x「普通に成果を出した」場合に得られる給料 = 「普通の給料」
と相関はありそうなので、こちらをベースに考えると「普通より少ない給料しかもらえていない!プンプン!」の場合はこれらの構成要素のどれかが並みより少ないということになります。
もちろん他の要素でそれ以上を達成していれば度合いによってはそれ以上になることもありますが。
以上を踏まえて対策をしていきましょう。

3.1. 職場の給与水準が低い

お給料を頂く労働者の場合、無い袖は振れないので職場の給与水準が最も影響します。給料いい会社は大体全体が高い。
ただし、めちゃくちゃでかい企業の場合は企業内でも社会の縮図のように格差が強くなる傾向があるので、末端は超しんどかったりします(A〇azonとか)。
頭のいい人が上で労働の最適化とかを行ってしまうと、改善は0.3%みたいに小さい場合でもでかい企業だと億単位でお金が動いてしまうので致し方なし。

なので、会社の給与水準が低い!と分かった場合は転職が吉です。
ちなみにあくまで「分かった」場合、で「感じた」場合ではないです。業界平均や、同程度の労働の他業種と比較した客観的な数値の話です。
感じるのは個人の自由だし、基準も個人なのでな…。

ちなみに給与水準の低い会社で長期間勤務した場合、採用側が思うのは「こいつ安く使っても大丈夫そうだな」なので、そのような方は残念ながら転職で成功する確率は低いと思います。

3.2. やってる仕事の重要度が低い

社内で他と比べて給料が低いなと思う場合は、基本的にはコレです。
受けてる仕事の重要度(難易度とは別)が低い場合は給与が低くなりがちです。
基本的に言われた仕事をこなしてるだけの場合はこの状態に陥ります。

解決策としては、改善の提案をしたり、より重要な仕事をしたいというアピールを継続的にすることですね。
同じぐらいのレベルであればアピールしてる方をとります。
重要な仕事をもらえなかった場合はおそらく「めんどくさいやつだな」or「扱いづらいやつだな」って思われてます。

3.3. 能力が足りていない

厳密には、要求される能力に対して必要な能力が足りていなくて成果が出せていない、ですね。
こちらは、3番目に置いた通り給与への影響は他の2つより低いです。
大抵の業種では天才が一人いるよりも凡人10人で殴った方が強いので、10人をちゃんとマネジメントできる人間の方が、優秀な技術者より会社にもたらす利益が大きいのでそうなります。

なので、能力不足に関する解決策としては

  • 適正のある仕事をする(転職)
  • 自分のスキルが重宝される職場に行く(転職)
  • 適度にスキルアップする

これもだいたい転職になってしまうのですが、スキルアップも一定量までは効きます。
コスパの良い辺りまでスキルアップしましょう。

ちなみにめっちゃスキルを上げた場合、大幅に収入が上がることは無いのですが

  • 転職の成功率が上がる
  • 替えが利かなくなるので首を切られづらくなる

あたりのメリットが出ます。
この能力が足りていないは影響は小さめとは言え、前者2つが普通より上だった場合は、まぁここかなという話になります。
意外とそれを受け入れられず「会社が悪い」を言い続けて状況が改善しないケースをよく見ます。
現実を見るしかない、現実に主観は関係ない。

4. 普通とか言ってんじゃねーぞ

以上いろいろ言ってきたのですが、「給料が普通より少ない!」という愚痴に関しては、叫ぶべきは

「俺は○○円必要!欲しい!」

であって、それが今の給与より上であるならば、上記に挙げた3つの要素の1つ以上を今より上げていかねばならんねーって話なんですよ。
そこで「普通」かどうかなんてどうでもいいでしょ。
世間の普通が半分になったら、給料半分になっても受け入れられんの?
普通だからくれってなんの説得力もないでしょ。
「普通」と心中する覚悟がないのに、「普通」を振りかざして相手を殴ってはいけない。