わくわく計算ライフ

ドムプラをキメつづけるブログになりつつある。

初心者救済システムは永遠に救世主になりえない話

主にゲームの話ですが、ゲーム以外の話でもある。
この辺の着眼点があるかどうかが幸福に生きていくのに必要だと思う。
大げさか?いや、そうでもない。

1. 救済達成の基準

この手の話は救済される側が救済されたと感じないと無意味みたいなところがあるのでされる側視点でまとめると。

あまり技術や経験がない者でも上級者にある程度勝てるようにして欲しい

なんですが、ポイントとしてはいい勝負がしたいでは無くて勝ちたいというところです。
いい勝負がしたいという人もいなくはないですが、「(内容が)いい勝負ができれば全然勝てなくても良いのか?」と問うと大抵は「それはいい勝負って言わなくない?」と返ってくるので、まぁ勝ちたいで集約して問題ないと思います。

2. 既存の解決アプローチ

2.1. 勝利条件へのアクセス手段を簡単にする

既存の解決アプローチの典型例の一つです。
同じボタンを連打するだけで、そこそこ実用的なコンボがつながるとかがそれです。
既存の枠組みをキープしつつ、一定のレベルより下の対戦において勝利の価値を適度に下げることができます。

この手のシステムの強弱で引き起こされる最終的な結果は主に以下の2つです

2.1.1. 一定レベルを超えようとするとそのシステムを捨てる必要がある

上級者には効かない、上級で戦っていくには効率が悪いなどの理由で捨てる必要でるケース。
救済システムに頼り切ったユーザーは「結局救済してくれてないじゃん!」と裏切られた気持ちに。
ただ、初心者救済システムだけでどんなプレイヤーにでもそこそこ勝てるようにすると、大体ジャンケンになるわけでそうすると「だれがやっても結局おなじじゃん」「頑張って練習したのに自分より練習してないやつに負かされるのが我慢できない」とまぁ結構わがままな発言が飛んでくるのが通常営業。
それ、全部通しちゃうと「俺だけ接待してくれ」になっちゃうんだよなぁ…。
もしそれを望むのであればお金を積むのが良いと思います。いっぱい積んでくれる人が接待されるのは世の常なので。

2.1.2. 上級者が救済システムをより活用してくる

これももう一つのあるあるで、救済システムが強力なときに良く起きる現象。
上級者はゲームが上手いので、救済システムの性能も初心者より引き出すことができ、結果として上級者とのギャップを埋めるはずのシステムで逆に差が広がってしまう。
具体的には、効率は良くないけどミスが許されない場面での使用などが良い例でしょう。
また、既存の他のシステムで出来ないことができると、組み合わせて悪用されるケースもあります。

2.2. 直接的な対人戦をさせない

対人をするから、対人に惨めな感情を抱くので、直接対人戦をさせない形式をとります。
だいたい最近のソシャゲがコレ。
一応ランキングがあったりするので、間接的な対人戦は残ります。
売り上げ考えると射幸心煽りが0なのはもはや作れないので。

2.3. マルチプレイにする

中心となっているのは、勝利の価値を下げるというよりは敗北の価値を下げるというところですね。
100人中99人は敗北するのであれば、敗者こそマジョリティ、普通であるという状態に持っていく。
でも、人間簡単に歪むのですぐに「勝ってる奴は異常!頭がおかしい!」っていう人が出てきちゃう。

またN vs Nの形式では自分ひとりに責任が負わせられることは無いので、これも勝敗の価値をマイルドにします。
ただし、これもすぐに人のせいにする地獄が待っています。つらい。

3. ユーザー側の問題

この問題はユーザー側にも問題があって、正直なところ勝敗に直結する部分のところの学習・練習なしに勝てるようにしろ、ただし自分がしてない相手にやられるのは許せないタイプの発言は良し悪しは置いておいて矛盾があるので実現ができません。
出来ないことを追求しても出来ないし、見た目を取り繕っても良くて一時的な先延ばし、悪くてヘイトがチャージして増幅されてから放たれることになると思います。

この手のユーザーに対してはまともに勝利へのアプローチを整備する必要はないので、勝負っぽく見えるキレイなジャンケンコンテンツにイナゴ的に誘導するのが良いと思います。
一方でちゃんと練習等をして勝てるようになりたいけど壁が厚すぎると感じるユーザーがいるのも事実で(マネーの問題で厳しいかもしれませんが)こちらは拾ってもらいたいなぁと思います。

4. やる気のある初心者救済案

以上を踏まえた上で、やる気のある初心者を救済するのに必要だなと思うシステムについて垂れ流します。
というか、ぶっちゃけ教育ですね。

4.1. システムはある程度複雑な方が良い

人ごとに適正が異なるので勝利へのアプローチが複数ある方が実は良いです。
シンプルなゲームはシンプル故に、皆が同じライン上で戦う必要があるので、余計に上級者に勝てません。
逆に、コンボと差し合いの両方が要素としてあれば、
コンボは下手だけど差し合いが上手い vs コンボは上手いけど差し合いが下手 が近いレベルで勝負できる可能性が生まれます。
プレイヤーの多様性を受け入れるにはある程度複雑なシステムが必要だと考えます。

4.2. Resultの詳細化

こと格ゲーにおいてはResultが荒過ぎる(SimpleではなくCoarse)と感じます。
もう少し、属性ごとの被弾率やヒット率、一回のコンボで食らったダメージの平均等が出ると良いと思います。
これがあると、アドバイスをする側も動画を何本も見て分析するという手間が軽減されると思います。
現状、直接の勝ち負けやそれから導き出されるランク、勝率しか自分の成長を客観的に評価する指標が無いというのは結構つらい話だと思います。
何が良くて/悪くて勝ち負けにつながったのかがわかる時点で中級者、上級者へと既になっていることでしょう、当然初心者はそれが分からないため、勝ち負け以外の成長が分かる指標が必要なのです。

4.3. トレーニングモードの使い方の周知

現行のビッグタイトルは十分なトレーニングモードを搭載しているものが多いですが、使い方の周知についてはリリース時以外にも定期的にやるべきだと思います。
殆どの初心者ユーザーはコンボの練習にしか使っていません。
ある程度自キャラが動かせるようになってから、相手の動きに対処できずに伸び悩むプレイヤーが多いと思います。
そのため、相手の連携への対処方の調べ方や、ランダム行動を活用しての反応の挙げ方等の基礎的/根本的ななステップアップに必要な練習法はメーカーからも積極的に発信すべきと思います。
GGSTではユーザーがコンボや連携を投稿できるシステムが搭載されており、検索性や柔軟性にもう少し向上の余地はあるが、コンボや連携は生ものなのでこういう形でユーザーがコンテンツを作っていけるのは良いなと感じています。
もうちょいやられる側が対処を練習できる仕組みがあると良いと思います。  

4.5. トレーニングモードの再現能力の使い勝手の向上

先のGGSTのコンボメーカー(コンボや連携を投稿可能なシステム)はきっかけとしては良いのですが、ここを伸ばしてほしいというのがあります。
それは、再現能力の使い勝手の向上。
現状のトレモはレコーディング機能がついているので、やられた連携を記録して再生すれば再現は出来ます。しかし、ここに壁があります。

4.5.1. 相手キャラは自キャラではない

同キャラを除けば当然の話。
つまり、相手の連携を再現できる程度には操作精度が習熟していないとならない。
これは初心者に求めるのはしんどいと思う。
なぜなら相手キャラの方が数はずっと多いのだから。

4.5.2. リプレイを切り抜けるようにしてくれ

最近のゲームは大抵リプレイを取れるようになっています。
メーカーさんにお願いしたいのはリプレイの切り抜き機能ですね。
対戦リプレイにはまさに自分がやられて困った連携そのものが含まれているはずなので、そこから切り抜くのが最も活きた連携のはず。
それに、やられた側に再現させたうえに共有しろって話よりは、やられたリプレイそのものを利用できる方が、ユーザー全体の負担も小さくなるはずです。 善意によって支えられるシステムは貴族のシステムなので、可能な限り善意に頼らないシステムが一番かと。